疑うことが重要

ストラテジストのいまを読み解くブログ | 2018/1/31

先週金曜日に書いた通り、『年初からの動きは「日欧の金融引き締め懸念」であると同時に「米国売り」である可能性があり、事を悪くすると「トリプル安」や「流動性相場の終わり」につながる可能性が考えられます』。

昨日は、ドル安、米債安、米株安のトリプル安でした。

この下落前のマーケットの動きは、ユーロも強い、原油価格も上昇、新興国の資産もハイイールド債券も堅調と、2007年頃に見られたような、多くのリスク資産の相関が一緒になるような様相に見えていました。

この動きを「ドル安」で片づけてしまえば話は簡単ですが、実際には「米国売り」かもしれません(と疑って金曜日に述べたのです)。しかし、そうとは気づかず(→投機的な売り仕掛けがドル安の「根っこ」と疑うことなく)、従来の相関関係で取引をしているファンドは、ドル安に対して、商品(コモディティー)や新興国資産やハイイールド債券に買いを出します。結果として、マーケット解説者は(我々が昨年に述べていたような)「リスクオンのドル安」と話すようになります。

(筆者は2017年の始め頃には「リスクオンのドル安」(→2006年に似た動き)とレポートでは伝えましたが、その局面は、2017年で既に終わっているかもしれないと見ています。2018年これまでは、原油価格も戻り基調で多くの資産間の相関関係が高まっていて、2007年に似ています。金融市場の記憶は短期的で、歴史は繰り返されます。)

もちろん、こうした相関に基づく買いが優勢になって金融市場が再び強気に戻っていく可能性も十分にあります。米国の株価チャートが「長期右肩上がり」であること(あるいはリスクオフイベントの生起確率の低さ)が示すように、マーケットのほとんどは「強気への回復」で終わります。対照的に、筆者の懸念はほとんどが杞憂で終わります。これが筆者が頻繁に予想を外す理由のひとつです。

つまり、マーケットは多くの局面で「上がる」わけですから、「いつも心配して投資をしない」のであれば、株価上昇を取れず、資産を形成できません。分散「投資」が重要になるわけです。

ただ、マーケットでは常に「何か異変はないか」と探す姿勢や、「今度こそそう(流動性相場の終わり)ではないか」と自問自答する、疑ってみる姿勢が重要です。

特に過去数年の金融市場は「空前の流動性供給」に支えられているわけです。株価やその他のリスク資産価格の水準は、我々の想像以上に実態以上の水準にまで押し上げられている可能性があります。調整は小さくないかもしれませんし、いつか起こると考えるほうが自然です。

引き続き、ドル安の反対側で円がどこまで上昇するかに(引き続き)注意が必要だと考えています。過去のパターンに従えば、相場の下落は一方的に来ることはありません。「戻り」を伴いながら、徐々にやってきます。

2007年半ばから、ドル円相場がずっと下落する中(ドル安・円高)、「(当時は安全資産とされていた)円の買い・円高は問題ない」とばかりに、ユーロや豪ドル、原油価格、新興国資産は上昇を続けていました。

ただ結果だけを見れば、ドル円相場は相場下落の先行指標でした。(重見吉徳)