市場下落時の傾向と対策 ~「○○ショック」への備え~

日本株運用チームからのメッセージ | 20179

人は誰でも損はしたくありません。しかし、株式投資では、何年かに一度は「○○ショック」、「○○危機」等と呼ばれる大きな株価の下落に直面することがあります。1987年のブラックマンデー、1997年のアジア通貨危機、その後2008年にはリーマンショックが起きるなど、大きな株価の下落は度々起きており、投資家にとって避けて通ることはできない事象となります。

そこで、今回はその傾向と対策をお伝えしたいと思います。

 

傾向

まず、「○○ショック」の背後には、多くの場合に米国金融政策の引き締めがあるとされています。米ドルは基軸通貨であり、米ドル建てでお金を借りている人も多いため、利上げなど米国の金融政策の変更は世界のお金の流れに大きな影響を与えるからです。さらに、米国の金融政策を司る米連邦準備制度理事会(FRB)議長の交代は、投資家の不安感を高めることがあります。

1987年のブラックマンデーは、FRB議長がグリーンスパン氏に交代して2ヵ月後に起きました。1990年代には、1994年のメキシコ危機、1997年のアジア通貨危機、1998年のロシア危機と続きましたが、1990年代半ばの米国ではインフレ率の上昇を警戒して利上げが続いていました。2008年のリーマンショックは、2000年代半ばの低金利局面で米国に住宅バブルと信用バブルが発生し、その後の利上げを受けてバブルが弾けたのが原因とされています。

 

現状

2017年9月現在、日米欧の中央銀行は、非伝統的な金融政策を採用しています。今後、米国では、経済の過熱を避けるために、政策金利の引き上げとともに、保有資産の縮小に着手する方針です。2008年のリーマンショック以降の量的緩和で、FRBは米国債などを大量に買い入れたことから、FRBの保有資産は大きく拡大しました。保有資産の縮小への転換は歴史的にも初めてのことで、一時的な混乱が起きる可能性も否定できません。

また、これから2019年にかけては、世界の中央銀行でトップが交代する時期です。米国のイエレン氏の任期は2018年2月まで、日本の黒田氏は2018年4月まで、欧州のドラギ氏は2019年10月までです。

米国の金融政策の変更と日米欧の中央銀行トップの交代時期が重なるため、当面は「○○ショック」が起きる可能性が高まると考えられます。

 

対策

○○ショック」の局面では、投資家は以下の3通りに分類できると考えます。

  1. 株価の下落時に空売りやデリバティブで大きく利益を得る投資家。
  2. 株価の下落でそれなりの損失を出してこれまでの利益の一部を失うものの、最終的に赤字にはならない投資家。
  3. 大きな損失を出してこれまでの利益を全て吹き飛ばし赤字になる投資家。

理想は株価が下落する局面で大きく利益を得ることですが、これは技術的になかなか難しいかと思います。そうであれば、一時的にある程度の損失はあるものの、最終的に赤字にならない投資家になることが、当面の目標になります。そのためには、過剰なリスクを取らないことが肝心です。「大きく借金して投資をしない」、「一点集中型の投資をしない」、などが対策として挙げられます。分散投資は「○○ショック」の時こそ役に立ちます。 そして、赤字にならずにショックを乗り越えられれば、株式市場は絶好の投資機会を提供する場に生まれ変わるでしょう。例えるならば、突然目の前で、バーゲンセールが開催されるようなものと言えます。

 

結びにかえて

○○ショック」がなぜ起きるのか、起きるとしたらいつどこで起きるのか、分かる人はいないでしょう。デパートのように、いつからバーゲンセールが始まるか、つまりいつ投資機会に遭遇するかなど、誰も教えてくれませんし、分かる必要もないのです。

株価が短期的に大きく下落する事態が起きると考えるときには、財産を一度に全て失うことになるような投資をしないこと。もしくは、株価が下落したことで投資妙味が出てきたと考えられるのであれば、新規・追加投資を検討してみること。これが、過去何度も繰り返されてきた「○○ショック」から得られる教訓ではないでしょうか。

 

 



バックナンバーはこちら 

関連ファンド

日本の産業構造が変化していく中で、利益成長性が高く、株主を重視した経営を行っており、かつこれらの状況を市場が株価に織り込んでいない企業に投資を行います。
2017年10月にJPMジャパン4回決算型)が登場
日本の株式(全上場銘柄)の中から、時価総額にこだわらず、成長性があり、かつ株価が割安と判断される銘柄を中心に選定して投資します。